少しずつ少しずつ回復していく

適応障害復帰録

適応障害から復帰した方の実体験が少なかったので、過去の整理も兼ねた備忘録。
私の事例が全てではないけれど、少しでも何かの役に立てば。


なる時は早く、回復は遅い

なる時はあっという間だったのに、回復は本当に遅々として進みません。
ケガと一緒で、する時は一瞬だけど治りは時間がかかるもの。
今思えばそんな風に考えられますが、当時はそんな悠長なことは思えませんでした。

睡眠障害は相変わらずでしたが、導入剤のおかげで
少しまとまった睡眠時間が取れるようになり、体は楽になっていました。
休職から3週間が経過した頃には、2〜3日に1度は
ご飯などを買いに外に出れるようにもなりました。

少しだけ自分にご褒美をあげる

メールは必要最低限、独身で彼女もいなかったので、連絡をするのは親だけ。
SNSからは離れて、友人からの連絡もスルーしていました。
この時期には連絡が取れず、嫌な思いをさせた人もいたと思います。

病院が電車で行く場所だったので、週1回、病院に行けた自分を甘やかすと決めて、
帰りに駅前の居酒屋でランチを食べて帰るのがご褒美でした。
自分はダメだと思い込むようになっていたので、
本か何かで読んだ「意識して自分を肯定する」ようにしていました。

長い人生のうちの「ひと休み」だと思う

休職1ヶ月目は有給と病欠を全部ぶち込んで対応してくれることになったので、
給与面の心配をせずに済んだのは大きかったです。
このタイミングで早々に味方になってくれた執行役員には感謝しかありません。
他の役員は見てみぬフリでしたが…(苦笑)

社会復帰できるのか、ずっとこのままなんじゃないか、もうダメなんじゃないか。
焦ります、焦らない方がおかしい状況です。
そんなザワザワした気持ちを薬と寝てやり過ごし、
何も考えないように、考えることは後回しにしていました。

病気になるまでの時間の倍、良くなるのに時間がかかる

これは自分の体感でしかありませんが、できるだけ早く動くことは大事だと思います。
最初の1週間で精神的に追い込まれ、お悩み相談みたいな所に電話をしたことがあります。

マニュアル対応ですから仕方ないのですが、
「まだ1週間ですから、もう少し様子を見てみては?」と言われた時に、
『自分が我慢が足りないのか』と絶望にも似た感覚がありました。
でも自身の体の異常に目を背けず、メンタルクリニックに駆け込むという選択をしました。

自分の感覚が一番大切

結局、自分のことは自分にしかわかりません。
自分はたまたま適応障害の診断が出ましたが、あのまま頑張っていたら、
事態が好転したかもしれませんし、もしかしたらもっとひどくなったかもしれません。

体を壊してまで無理をする必要はない。
頭では理解はしていますが、そんな風に割り切れる時ばかりでもありません。
でも体に異常を感じたなら、見て見ぬフリをするのではなく、
病院に行く、休む、といった積極的な休養は取ることは大切です。
休むことは逃げることじゃないし、
逃げることがダメなんて決まりはどこにもありません。


私は適応障害を経験して良かった、などとは思いません。
起こったことは必然で意味があるという前向きな人もいます。
経験したからこそ得られたものも確かにありますが、
「メンタル障害」は多くの人にとって経験する必要のないものだと思っています。

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